ちゃらんぽらんたん日記

社会 society に興味があります。

別に不倫は悪ではない

不倫は文字通りタブー視されている。世俗は他人の不倫問題を好むから、芸能人が不倫スキャンダルで社会的サンクションの対象となることが屡々ある。だがそもそも、不倫することは別に悪いことだとは思わない。良いとも思わないが。

本来、不倫は各家庭の内輪問題で、他人に何らかの実害を与えている訳ではないのだから、いちいちレスポンスする必要はないのだけれども、他人の問題にやたらと干渉したがるのは国民性なのだろうか。

現在、結婚の形態は、バージェスの概念を拝借すると、制度的家族ではなく友愛的家族へと帰着する過程のものとして認識されている。これはつまり、家族形成の性質が制度的結合ではなく情動的結合であるということで、多くの人たちは、結婚相手を「家」ではなく自分の「意思」を基準に決める。

不倫も同様に、「意思」を基準にしている。同じ「意思」でも既婚者か未婚者の立ち位置によって社会の賛否が分かれている。

結婚する前の恋愛は容認されるが、結婚後の恋愛は否定されるのが今の社会。これは、結婚前の恋愛感情が「友愛的」側面が強いのに対して、結婚後の他者への恋愛感情は「制度的」(倫理道徳慣習の柵に囚われている)側面が強く、同じ恋愛感情でも是非があるという点においてある意味逆説的のような気がしてしまう。

そもそも、結婚後に抱いた他者への恋愛感情を、倫理道徳慣習で抑制しようとするのは到底無理な話である。

日本では、離婚することはバツイチなどと形容されるようにスティグマとなっており、換言すると失敗として捉えられている。だけれども、別に離婚は失敗ではないし、寧ろ自らの気持ちを解放するという意味で、倫理道徳慣習という制度で抑圧するよりも、より有意義かつ自由な人生を送ることができるような気がする。

結婚は永遠不変のものではなく、暫定的なものでしかない。

好きな人ができたのならその感情を抑制する必要はないし、それは付き合っていようと結婚していようと変わらない。

念頭に置くべきなのは、その場の感情ありきの後悔するような決断をしないよう留意しておくこと。

不倫は相手方を傷付ける行為であるからご法度だ、という主張は主流だけれども、相互の心情を痛みあうことができる関係であれば、不倫は恐らくしないわけで、不倫をするということはそういう関係が構築されていない、乃至は瓦解しているということを暗示しているのだから、制度で縛り付けて窮屈な生活を送るよりも、いっそのことそれらの柵を取っ払って、ダメだったらまた別な人を探す、みたいな純粋な関係性を求めていくほうがより幸福感を得られるのではないかと思うのは私だけだろうか。